1967 ROVER / ALVIS P6BS Prototype Sports car

 1965年、ROVERが ALVISを傘下に収めた時に、ALVISによるクルマの生産を復活させるために、ROVERが設計し、生産を ALVISが行うというスポーツカーの計画が持ち上がった。
 Spen King と Gordon Bashfordによる開発コードネーム P6BSの意味は、P6が ROVER2000のシャシーと足回りを流用していることから、BSは“Buick Sports”の略。搭載するエンジンが Buickから提供されたV8エンジンを意味する。V8エンジンは、わずかにオフセットされてミドシップ搭載されている。これにより足元は広く、視界も良好なものとなっている。ルーフは取り外し可能なもの。
 残念なことに計画は1台が完成して幕を下ろすこととなる。1968年、ROVERは Leylandと合併し、British Leyland Mortor Companyが設立された。これにより ALVISによる自動車生産は打ち切られることとなり、計画そのものが霧散したのだった。デザインは素直にカッコイイとは思えない英国流のものだが、このコンパクトなボディにV8エンジンを搭載すれば動力性能は充分以上のものだったろう。
 この個体は Heritage Museumが所有する、唯一製造された貴重な1台。今年の夏に訪問した際に撮影したもの。