1968 Bandini Saloncino

Bandini DOHC 4cyl 987cc 105hp/8500rpm

 Bandini Automobiliは 1946〜1992年まで存在した自動車メーカー。その名は創設者 Ilario Bandiniから名付けられた。Bandiniの故郷であるイタリアはロマーニャの都市フォルリにて 1946年に創業。最初に造られた Bandini車は Fiat 1100を改良したエンジンを搭載。アルミニウム叩きだしのボディは、航空機水準の鋼管フレームに架装された。戦後のイタリアのスポーツカー・メーカーが多用した設計であったが、Bandiniの鋭い知性と、レースに勝つための知識が細部にわたり注がれた結果、ライバルよりも抜きん出た性能を発揮し、欧州と北米のレースシーンに於いて侮れない存在となった。
 Ilario Bandini自らが操った750ccの Bandini Siluro(魚雷の意)が 1955年と 57年の SCCAクラス・チャンピオンとなってから北米で注目されだし、Daytona や 12 Hours of Sebringなどの北米スポーツカー・レースで活躍した。


 Bandini Saloncino(小さなサルーンという意)は 1968年の " Salone Internazionale dell'Automobile di Torino " (トリノ国際モーター・ショー)にて発表された新型のスポーツ・クーペ。Saloncinoの誕生は同社初のスポーツ・クーペとして重要な位置を占めることとなった。前作 1000/66との類似点も見受けられるが、フロント・サスペンションとシャシーは新開発となっている。また、Saloncinoは最初にダウンドラフト・キャブレターを備えた 1300ccエンジンのテストカーともなっている。
  シャシーは Ilario Bandini自らが設計し、エンジンも強度メンバーの一部を担っている。鋼管は楕円断面で航空技術から派生した特殊鋼を用いている。4輪独立懸架で、リアはスイングアームを備える。
 エンジンはアルミニウム製 DOHCヘッドをもつ直列4気筒で1気筒あたり2バルブ。ツイン・チョークのダウンドラフト Weber 38DCO3を備えている。



 ホイールは Campagnoloのアルミニウム合金製。



エンジンルームは透明のカウルを通して、外から丸見えとなっている。



ギアボックスは Colottiの5段で乾式クラッチを備える。