1937 MERCEDES-BENZ W125 Stormlinie



水冷直列8気筒 32バルブ DOHC Roots-Type Supercharger 5660cc 592ps/5800rpm

 クルマが大好きだった独裁者ヒトラーによる莫大な国家予算の投入によって実現された怪物。当時メルセデス・ベンツのレース部門チーフであった Max Wagner および彼のアシスタントであった Rudolf Uhlenhaut(後に名車300SLRを生みだす)の命によって生みだされた。
 注目すべきは恐ろしいパワーのエンジンではなく、サスペンションである。それまでのレーサーで常識であったガチガチに固めたものではなく、前輪は独立懸架のストロークをたっぷりとり、柔らかいスプリングを用いて接地追従性を改善し、後輪は出来るだけ対地キャンバー変化の少ない設計としていた。その後のレーシングカーの設計の基本セオリーとなるものであった。

カレラ124がモデル化したのは、空力ボディを架装したW125,1937年のAVUSに優勝したNo35,Hermann Lang のマシンを再現している。しかし、Hermann Langをもってしても、伝説の名士 Bernd Rosemeyer が操るアウトウニオンに勝つことは難しかったようである。
http://bit.ly/mxdjX7


GPレースによる国威高揚を目論んだ、ナチスの宣伝相ゲッベルス夫妻の姿が映されていることと、ドイツメーカーのマシンにはナチスのカギ十字が大書きされていることに注意。




カレラのモデルは、ヘッドレスト後部に大きくマーキングされたナチスのカギ十字が省略されている。ナチス・ドイツに協力していた事実は隠したいメルセデスの恥部に違いないが。