LANCIA LUNCH 2010 その1 Lancia Beta Trevi 2.0VX

LANCIA CLUB JAPAN”主催の“LANCIA LUNCH 2010”を見学させてもらった。恐らく一般の見学参加は初めてのことだと思う。
http://www.lanciaclub.jp/

残念ながら参加車は昨年の半分だったようで少々寂しいものであった。一般の見学者も10台ぐらいだったろうか。
しかし、クラブ員以外を締め出すような閉鎖的な自動車クラブのイベントが多い中、一般の見学者を認めるという“LANCIA CLUB JAPAN”のオープンな態度には敬意を表したい。
LANCIA LUNCH”はその名が示すように旨い昼飯を食うというのが趣旨だそうで、今年は老舗懐石料理「なだ万」の弁当だったようだ。一般見学者でも予約できたようだが、自分はアバルトの師匠の店に行く予定だったのでお断りした。ちと食べてみたい気もしたのだが。

さて今回はブログで知り合ったlancistaさんとお会いするのが目的のひとつだった。
http://hidamariom.exblog.jp/
彼の愛車のLancia Beta Trevi”は目立つところに停めてあった。




Lancia Beta Trevi 2.0VX”
水冷直列4気筒 DOHC スーパーチャージャー 1995cc 135ps/5500rpm 最高速度190㎞/h 駆動方式FF

ランチアが69年にフィアット傘下になって最初のモデルとなった1972年のベータ・シリーズ。その多くのバリエーションの中で最後に追加されたのがオーソドックスなベルリーナだったのはランチアらしいとも言える。
ボクシーなデザインがピニンファリーナだったとは知らなかった。



保守的なエクステリアとは対照的に、インテリアはギョッとさせる前衛的なものだ。


穴ぼこチーズのようなダッシュボードには各種警告灯がちりばめられている。これは工業デザイナーとして当時有名だったマリオ・ベリーニ*1のデザインで、なるほどと思わせる。写真ではチラッとしか写っていないが、シートなどトリムには高級スーツで有名な“Ermenegildo Zegna(ゼニア)製の上質な生地が使用されているところなど、さすが高級車ランチアだ。
http://www.zegna.com/?lang=4&reset=true



エンジンは伝統のランプレディー・ユニット。ウェーバーのシングル・キャブレターにアバルトが開発したルーツ式スーパーチャージャーを装備している。写真右手、ストラット・バーの下にあるのがアバルトによるスーパーチャージャーだ。ただ、トレビの弱点はこのスーパーチャージャーの故障が多いことだった。いわば両刃の剣でもあったのだ。



リアには「ガレージ伊太利屋」の復刻版ステッカーが燦然と輝く。
そして……。

清い純正の足元にはカエルが……。

ガレージ伊太利屋によって当時輸入されたトレビは30台と言われている。その内現在登録が確認されているのが3台。lancistaさんのトレビはそのうちの1台という貴重なクルマ。ワンオーナーのクルマを譲り受けたとのことで、奇麗な個体であった。

知人が90年代にバンパー外したトレビ白を乗っていたので、懐かしい再会でもあった。楽しい時間をlancistaさん有難う。

*1:最近は家具のカッシーナのデザインでも有名。自分の世代だと70年代のヤマハから発売されたピラミッドのようなカセットデッキを思い出す。クルマ好きにはルノー5ターボのインテリアでも有名だ。