アルファ・ロメオ 100年の栄光と衰退 その15 Tipo 33 Stradale


“1967 Tipo 33.2 Stradale”
90°V8気筒 DOHC 1995cc 230ps/8800rpm 最高速260㎞/h

レーシング・プロトタイプである“TIPO 33.2”をベースにした、極めて高性能なスポーツカー。“Stradale”とはイタリア語で“道路”という意味で、レーシングカーのロード・バージョンということだ。ボディデザインは鬼才フランコ・スカリオーネ。文句なく彼の最高傑作のひとつと言えよう。
自分にとっても“Tipo 33.2 Stradale”を観るのは15〜6年ぶり。アバルト美術館でエスプレッソ飲みながらオーナーの小坂さんに説明してもらったことを思い出しました。

“TIPO 33.2”のシャシーは、両サイドとコクピットの前後に直径200mmのアルミ合金製パイプを配したH型のスペースフレームで、この前後にキャスト・マグネシウム製のサブフレームを結合しているが、ストラダーレではメインフレームがスチール製となり、ホイールベースが100mm延長されて2350mmとなっている。エンジンは270psから230psにデチューンされ、6速ミッションが組み合わされている。価格は1968年当時イタリアで975万リラと、1750GTVの5台分の金額に相当している。


“MUSEO”で展示されているストラダーレは市販型と異なり、4灯式ヘッドライト、前後カウルの開口部の分割線、前後ホイールハウス後方にエアアウトレットがないなど、最初のプロトタイプの特徴をもっている*1。どうやら“MUSEO”の注文によりアウトデルタが製作したモノらしい。

アルファ・ロメオによれば生産されたのは18台といわれているが、その中の5台はピニンやベルトーネなどでショーカーに仕立てられているので、ストラダーレそのものは10台そこそことも言われている。

*1:ただしプロトタイプのワイパーはルーフ上部に支点をもつもの。