TOYOTA MUSEUM CLASSIC CAR FEST   1938 Peugeot 402

Peugeot 4cyl OHV 1991cc 55ps/4000rpm MAX 120km/h.

 1935年のパリ・サロンにて発表された所謂“02”シリーズの第1弾が 402である。前年の同サロンにて発表された Citroen Traction avantの革新性に対する Peugeotからの回答とも言えよう。大胆な流線型を採用した初の欧州車として歴史に残るクルマとなった。しかも商業的にも大成功を収めたのである。クーペや世界初の電動ハードトップなど、バリエーションは多彩を極め、1935年からナチス・ドイツ占領後の1941年まで造られた 402の総生産台数は、実に81,954台にもなった。


 デザインは明らかに、前年にデビューした DeSoto Airflow(left)の流れを汲んでいるが、402の方が圧倒的に流麗なものとなっている。DeSoto Airflowはフロントのオーバーハングを切り詰めたために亀のような鈍重なイメージとなっているが、402はノーズを伸ばして伝統的なグリルを匠に融合している。しかもヘッドライトは大胆にもグリル内に収めて空気抵抗を減らすばかりでなく、クリーンでモダーンなイメージを作ることに成功している。そして Airflowには取り付けられていた無骨なサイドステップは取り払われ、より洗練されたデザインとなっているだけではなく、室内幅が広くなり横3人がけが可能となった。
 ミッションは Traction avantと同様にダッシュボードからシフトレバーが突き出した3段シンクロ付きであったが、後に Cotal製電磁式セミ・オートマチックもオプションとなった。駆動方式はオーソドックスなFRである。


402のエンブレム。0の部分がクランクを通す穴となっていることに注意。


リア・ホイールカバーの飾りに注目。ライオンが立髪をなびかせているデザインとなっている。