TOYOTA MUSEUM CLASSIC CAR FEST 1934 DeSoto Airflow


Chrysler 8cyl 4883cc MAX 142km/h.

 DeSoto Airflowは Chryslerが DeSotoブランドで売り出した意欲作。1934年から1936年にかけて販売した。当時としては革新的な空力ボディーではあったが、値段が高いのと粗悪な造りで売れることはなかった。



 
 同じ年に売られていた Chevrolet Master DA(left)と比べてみると、DeSoto Airflowのボディデザインが如何に先進的なものであったかが一目瞭然。
 フロントグリルが極力空気抵抗を減らすように曲面となっているし、フロント・ウィンドウも2分割にして後退させてあり、ヘッドライトも一体化されている。もちろんテールは絶壁形ではなく、流れるようなスロープとなっている。
 シャシーもトラス構造を取り入れた一種のモノコックとなっていた。ライバルの自動車メーカーが木骨をスチールでカバーしたものを使用していたことを考えると、相当に進んだものである。


 売れなかった理由は、革新的なデザインにもあったが、粗悪な品質であったことが大きい。立て付けが悪くて錆にも弱かった。大きく重いボディのせいで、空力が良かったにもかかわらず燃費も悪く、最高でリッターあたり平均5.7kmにとどまった。

 しかしながら、自動車技術者に与えた影響は大きいもので、Ferdinand Porscheは初期のクーペをドイツに輸入。彼が関わった独裁者ヒトラーの発案による Volkswagenのデザインに影響を与えた。トヨタ初の量産型乗用車である AAのデザインにも影響を与えている。