TOYOTA MUSEUM CLASSIC CAR FEST  1954 Bentley R-type Continental By H.J.Mulliner

第二次大戦後、 Bentleyが史上初めて製作したスタンダードサルーン、Mk VI/R Typeをベースに製作された伝説的グランド・トゥアラー。
圧縮比 7.25:1へと高められ、SUツインキャブを装着するなど、軽くチューンナップした直列6気筒アルミニウム・ヘッドのF型エンジンを、アルミ製の空力的なボディに搭載。ギアボックスは4段。3速で 161km/hまで加速し、4速での最高速度は 193km/hに達するという、4座クーペとしては当時の世界最速モデルであった。そしてそれは、瞬く間に高性能ラグジュアリー・カーの代名詞となる。

208台が製作された内の193台には、H.J.Mulliner製の最も有名かつ魅力的なプレーンバック・クーペが架装された。R-R傘下時代の Bentleyでは間違いなく最高傑作とされている。

今回の出品車は1954年に製作、同年のロンドン・ショーの H.J.Mullinerブースに出展された個体である。


R-Typeの優れた独創性が大きな成果を収めたにもかかわらず、Bentleyと Rolls-Royceのモデルの合理化は、容赦ない効率でなおも続けられた。1955年までには、Rolls-Royceの Silver Cloud とボディスタイリングだけが違う BentleyのSシリーズのように、Bentleyの独自性は無残にも失われていった。

10年もの長い間、コーチビルダーによる Continentalの2ドア、4ドアモデルだけが、Rolls-Royceのスタイリングとは無縁の Bentleyモデルとして造られた。