DB (Deutsch and Bonnet) STORY Part 2

 Citroenのディーラーを経営していた Bonnetであったが、レースで好成績を挙げても、ちっとも反応しない Citroenの態度に一抹の不安を覚えていた。大きくて重く回らない Citroenのエンジンは、そもそもレースに不向きだったし、果たしていつまで彼らがエンジンを供給してくれるのかという疑心暗鬼のようなものが大きくなっていたのだ。
 そこに登場したのが PANHARD DYNA Xだった。それに搭載された空冷水平対向2気筒エンジンは小排気量ながら高度な設計で、少なくとも Citroenのエンジンよりはレース向きだったし、空気力学を徹底的に追求するという DBの設計思想により、多少のアンダーパワーでも問題はなかった。
http://d.hatena.ne.jp/gianni-agnelli/20120830/1346252451

 DBは早速、DYNAのエンジンに飛びついた。1948年のことである。最初に開発したのは 500ccのフォーミュラー(後に F3となる)で、DYNAの 606ccエンジンを 500ccにスケール・ダウンして搭載したもの。しかし、当時は Cooperが無敵の存在として立ちはだかり惨敗に終わる。それにもめげずに 1954年には無謀にもF1に挑戦。850ccの DYNA130のエンジンを過給器搭載レギュレーションに合わせて 750ccにスケール・ダウンし、ルーツ型スーパーチャージャーを搭載した。1955年のポーで行われたノン・タイトル戦に2台がデビューしたが惨敗している。



DB F1

 フォーミュラーでは失敗したが、DBが活躍したのはル・マンをメインとするスポーツカー・レースであった。特にル・マンでは戦後初の開催である 1949年から 1961年まで実に13年の長きにわたって出場していたのだ。これはフランス・メーカーとして、未だ破られていない記録である。そしてその間に性能指数賞を5回勝ち取っている。



1951 DB PANHARD
745cc Flat-Twin.

排気量の差こそあれ、基本的に DBはバックボーン・フレームにアルミのボディを架装し、DYNAのサスペンションをそのまま強化して使用している。もちろん前輪駆動である。基本が DYNAなのでシフトノブがダッシュボードから伸びていることに注意。バンパー兼ブレーキランプにも注目。