Touring Car Race. Sir John Whitmore Part2


Ford will show the overwhelming strength, saloon car racing in the UK. Galaxy top, the second Cortina Lotus.


 ‘Touring Car Race’の FIA国際モータースポーツ競技規則は、‘Formula one’のものよりも頻繁に変更されるが、少なくとも3種類の競合する排気量クラスに収まるのが普通だ。許される改造範囲も変更される。
 クラブ・レースでは改造は何でも通用し、特別な部品が出回っているのが見られるだろうが、国際レース(FIA公認)では一般に生産ラインから出た姿に近いものである。標準仕様はメーカーが提出し、FIAが検査するホモロゲーション書式に明示されている。
 我々が‘homologation’(車両公認書)について話しても迷う人が多い。無論複雑なので知る必要もないが、言葉の意味は「承認」とか「確認」である。とにかく、この車両公認書は、特定の生産モデルの部品やオプション部品の寸法が記載されている。そしてこの場合、最小1000台(1965年まで)の同型車が生産されていること、という規則も記されている。
 レースの車検を行う訓練されたエンジニアの技術員は、競技車両を公認書と照合するが、その際に参加車両のほぼ全部が不正を働くという理由で念入りに点検する。故意にやろうとする者はほとんどいないが、実を言えばインチキがあるのはある程度真実で、特に2人の技術委員が規則を全く同じに解釈するとは限らないので、100%正しいことは不可能に近いからである。
 国際‘Touring Car Race’は、競技が製品の有効な展示となると共に、最も厳しい条件下で性能を証明できる機会となるので、大手自動車メーカーによって支持されている。
 例えば、長距離レースは宣伝効果が絶大であるほか、優勝車のサスペンション、ブレーキ、スピード、耐久性などの優れた組み合わせを公開するのである。
 コンペティションは、後日メーカーが取り上げて生産モデルに採用する改良箇所も掘り出している。この好例は、FORD Cortina GTのリア・サスペンションに関連するラジアス・アームである。この懸架方式は直接レース・サーキットからの経験から生まれたが、これなどほんの一例にすぎない。
 しかも、大手メーカーの自信たっぷりのチーフ・エンジニアでも、製図板からは学べない何かがあるのだ。
 控えめなテスト・ドライバーではなくレーシング・ドライバーの手で、サーキットを機械の限界まで駆動させるような極度のテストだけが、設計上または生産時の欠陥をさらけ出すのだ。
 技術的試験は、もちろんこれとは目的の異なった別の仕事であるが、エンジニアはプライドを捨てて、レース中に起こることなど「わからない」ということを受け入れたら良いのだが。
 「いや、これは通常の使用では十分に丈夫だ」ということをよく聞くが、生産部品がレースで破損した結果、それ以降どれほど耐久性を強化されているか知ったら驚くことだろう。
 従って、コンペティションは一般のユーザーにも貢献していることになる。