扇町屋愛宕神社骨董市 其ノ二 

 前囘の骨董市にも出店してゐたアンティークのラジオ屋さんを覗いてみました。木製やベークライト製の箱から流れる柔らかい音色にすつかり虜に成りました。


 此の戰前のラジオを見てください。木製のキャビネットに込められた職人藝。寄木細工等見るべきところが多いです。


 世界初のラジオ放送は 1920年、亞米利加、ピッツバーグのKDKA局による放送。其れから5年後の1925年3月22日、東京、芝浦の假放送所からラジオの試驗放送が開始され、日本のラジオ放送の歴史が始まつた。
 日本でのラジオ放送は關東大震災の情報杜絶による混亂や、東京灣に碇泊した船舶からの無線による情報傳達の成果により、放送實現の世論が盛んに成つたからだ。



 此れは大正から昭和にかけた1926年前後のラジオ。變壓器が内藏されてをりますが、本來なら主流の充電池式で、充電器と本體一式(ラッパ式スピーカーは別賣)で家一件の價格だつたんですつて! 大金持ちの特權だつたんですねえ。
 


スピーカーは、此のラッパ型です。此れが本體と同じ値段します!




1930年代に入つて、部品や組み立て方法の改良によつてスピーカと本體を一體にする事が可能に成りました。小さくなつたのでミゼット型と言ふさうです。



此れは松下さんの戰中(1940年)のもの。



Emerson Model 126 Bakelite Radio (1936)
此のベークライト製のコンパクトなやつがお氣に入りです。柔らかい音が良かつた。値札は48,000圓也。

http://www.tuberadioland.com/Emersonmain_alt1.html