Goodwood Festival of Speed 2011 PRE - WAR GRAND PRIX CAR Part2




1935 AUSTIN SEVEN TWIN CAM
直列4気筒 DOHC 747cc スーパーチャージャー 120ps/10000rpm
 Murray Jamieson が設計した過激なエンジン。この時代に1000cc以下の小排気量で120psというのは凄まじいものがある。予想したことではあるが、かなりピーキーなエンジンなようで、会場ではすぐにエンストするなど、調子が悪い様子だった。
http://bit.ly/prvLZJ







1936 AUTO UNION TYPE C
V16気筒 SOHC 6005cc スーパーチャージャー 520ps/5000rpm
 Ferdinand Porsche と Karl Rabe による世界初のミド・エンジンGPカー。ライバル Alfa Romeo Tipo B の倍以上のパワーを誇る怪物は、当時のタイア性能の低さとあいまって超オーバーステアとなっていた。このため、モータサイクル出身の Bernd Rosemeyer しか乗りこなせなかったと言われている。グリルにはじまって、ドラムブレーキのフィンからフードの縁に至るまで、細かく円状にくり抜かれており、徹底した軽量化の跡が見受けられる。
AUDI TRADITION からの参加。






PINK CAR 1/32 AUTO UNION TYPE C






1939 AUTO UNION TYPE D
V12気筒 OHV 2986cc スーパーチャージャー 485ps/7000rpm
 1938年、パワーの格差に困ったAIACR(現在のFIAの前身)が過給機付き3リッターという新しいレギュレーションを制定。ポルシェ博士がVWのためにアウトウニオンを去ったため、Eberan von Eberhorst が設計。3カムシャフトのV12気筒という新型エンジンを開発。タイプCの燃料タンクはコクピットの真後ろにあったが、タイプDではコクピットの左右に燃料タンクを配したのでドライバーの乗車位置をクルマの重心点近くまで後退させることができた。これにより操縦特性は、タイプCより弱アンダーステアに落ち着くこととなった。1939年のユーゴスラビアGPにおいて名手 Tazio Nuvolari が勝利を飾ったその日に、フランスと英国はナチス・ドイツに宣戦を布告。マエストロと称されたヌボラーリをして「より慎重に、より意識を集中しないと、どこにスッ飛んでゆくかわからない」と称されたミドシップ・エンジン車は、ついに正当に評価されることなく、再びGPレースにその勇姿を見せることはなかったのである。
 タイプCもDも冷酷なナチズムの雰囲気があって、狂気の恐れさえ感じさせる冷徹なマシンのように思える。それに魅力を感じてしまった自分も怖い。
AUDI TRADITION からの参加。


使用されているスターターも当時のものを再現したもの。






1939 MERCEDES-BENZ W165
V8気筒 DOHC 4Valve 1495cc 256ps/8000rpm
姑息にも1.5リッターのヴォアチュレット(小型クラス)に転向したアルファ・ロメオを迎え撃つために、1939年のトリポリGPに間に合わせるために6ヶ月の突貫工事で造り上げたマシン。Hermann Lang が平均速度198㎞/hで優勝、Rudolf Caracciola が2位に入り、見事1−2フィニッシュを達成した。
MERCEDES-BENZ CLASSIC CENTRE からの参加。