1937 Auto Union Type C Stromlinie


水冷V型16気筒 SOHC 6006cc 520ps/5000rpm 最高速度400㎞/h

まさに怪物である。現代のタイアと比べるとほとんどグリップのないタイアで、ブレーキはロッキード製のドラム。これで時速400キロとは、まさに狂気の沙汰であろう。32個もある吸排気バルブは、中央の1本のカムシャフトで駆動されており、ミドシップ。設計はヒトラー総統の御友人であったポルシェ博士なり!
この怪物はベルリン近郊の高速サーキット“AVUS”の為に作られた空力スペシャルで、43度もあるバンクで高速性能を競い合ったのだ。バンクにはガードレールがなく“死のバンク”として恐れられていた。
忘れてはならないのは、このマシンが誕生するにはヒトラーによる国家予算の投入があったこと。ナチス政権への熱狂的な国民の支持を狙っていたのだ。

レースの結果は、メルセデスの勝利で終わっている。



フェンスはもちろんのこと、ガードレールもなし。まさに死のバンク。


高速バンクの路面がレンガ製であることに注意。恐ろしや!


1937年のGPレース状況





乗り降りは、まさにコクピットと称するに相応しい。飛行機のようだ。