ロ式八〇馬力発動機


ロ式八〇馬力発動機
10,900㏄ 93ps/1200rpm

TGE型トラックの試作が完成した1917年、ガスデンは陸軍の指示によりフランスのル・ローン 空冷星型回転式航空エンジンを40基制作し納入、1922年まで月産15基程度を生産していた。
エンジン自体がプロペラと一体で回転する回転式である。
ガスデンがトラックと同時に航空エンジンを導入したのは戦時に航空エンジン生産に転換し軍の要請に応える目的があった。ジェットエンジンが開発されるまで、航空エンジンと自動車エンジンは表裏一体であったのだ。
ル・ローン航空エンジンは原型は1914年であるが、これは Gnome et Rhône 社で制作され、その軽量と信頼性から第1次大戦で大量に生産された。
陸軍が80馬力型と120馬力型のライセンスを買い取り、ガスデンが制作している。


ガスデン製造のル・ローン・エンジンはイギリスの Sopwith Pup 単座複葉戦闘機に搭載され、1919年に陸軍に“ソ式3型”として納入された。TGE型トラックと共にシベリア出兵に投入されている。