LANCIA LUNCH 2010 その3 Lancia Aurelia Gran Turismo B24 Convertible

ピニン・ファリーナとランチアの関係は過去きわめて密接なものであった。
戦前、新進のピニン・ファリーナが成功を勝ちとったのがディラムダやアプリリアシャシーであったとすれば、戦後アウレリアGT、フラミニアなどでランチアを助けたのはピニン・ファリーナであった。
ピニン・ファリーナは戦後数々のボディをランチアシャシーに架装したが、その中でアウレリアGTやアッピアフラミニア、フラヴィアなどのクーペとともにランチアの準生産カタログ・モデルとして採り上げられ、同時にランチアの名車としてファンの間に語り継がれるであろう傑作がこのアウレリアGT B24である。


機構的にはB20 2500とまったく同じであるが、デザイン的には53年頃のPF200のモチーフを54年のアウレリアGTスパイダーを経て見事に完成させたものである。



リア・スタイルは同じ1956年に発表されたアルファ・ロメオのジュリエッタ・スパイダーに似ているが、長さに余裕があるためリア・フェンダーはすんなりと伸び、テールの柔らかい曲面も美しい。サイド・グラスの上る完全なコンヴァーチブルなのでデタッチャブルのハードトップを付けるとクーペになる。





伝統的な楯型のグリルから流れるカーブはたとえようもなく美しい。ボディにグリルを押し込めたのではなく、グリルを中心にボディをデザインした感じで、クラシカルなエレガンスを感じさせる。ホイールベースはB20より更に短く2450mm 車重1215kg。



コクピットは典型的なイタリアスタイル。メーターはB20と共通だがクラッシュ・パッドで覆れ、クーペではステアリング・コラムのシフト・レバーもフロアに移されている。ステアリング・ホイールはウッドリムのナルディ。シートは本皮だ。



ダブル・チョーク、ウェーバー・キャブレターを1基備えた2451cc 110HP V6エンジン、最高速度180km/h。