French Blue Meeting 2010 その1

台風は過ぎ去ったが、今年のフレンチブルーミーティング、車山高原は霧雨であった。


会場に着くなり、いきなりこういう80年代のレアなクルマに出会えるのが嬉しい。



“1983, Talbot Matra Murena 2.2”
水冷直列4気筒 OHC 2155cc 118ps/5800rpm 最高速197㎞/h

2.2リッターはツインキャブとなっている。ミドシップのスポーツカーだが、横一列3人掛けというのがフランスらしい。ボディはFRPだ。
PSAグループの“Talbot”は日本に代理店が無かったので、正規輸入されていない。会場には貴重なムレーナがもう1台来ていた。
80年代のクルマというのは、コレクターに見向きもされないので絶滅の危機にある。これはフランス車に限らずイタリア車にも言えることだ。オーナー氏に聞いたところ、部品はイギリスの“MatraMagic.co.uk”から手に入れているとのこと。さすがエンスーの国、イギリスだ。


続いては“Matra”つながりで、Renault Espace”



写真上から順に、初代、3代目、現行モノ。どれも日本には正規輸入されていない。ヤナセがフランス・モータースを設立してルノー輸入代理店をやっていた頃は一度だけ輸入検討されたが、お流れとなった経緯がある。いまでは“Laguna”でさえ輸入されておらず、“Espace”は夢のクルマとなった。
Renault Espace”と日本のミニヴァンとの違いは、車高が高いままで操縦性能の高さを実現している事とシートアレンジも含めたデザインの素晴らしさだ。
Renault Espace”と日産エルグランド、とても同じグループのクルマとは思えない違いがある。

会場では、長年ルノーを販売し続けてきた販売会社の社長さんと12年ぶりに再会できたが、現行の日本での輸入ラインナップでは、アッパー・ミドル・クラスを求めるお客様に売るクルマが無いことを嘆いていた。その点では、数が少数でも“C5”“C6”を輸入しているプジョーシトロエン・グループの英断を高く評価するとのこと。



会場には孤高の前衛高級車Renault Vel Satis”(既に生産中止、日本未発売)も訪れていた。
写真ではわからないだろうが、メルセデス・ベンツEクラスよりも大きいクルマだ。しかもハッチバックというフランスならではのレイアウト。ルノーは“25”からずっと大型高級車にハッチバックを採用してきた。それが大統領専用車なのだから、フランス合理主義ここに極まれり。しかし、最近はBMWやAUDIも5ドア・ハッチバックの高級車を出してきたから、早すぎた前衛だった事がドイツ車によって証明されたことになった。



【関連URL】
http://www.matrasport.dk/
http://www.webcg.net/WEBCG/essays/makkina/e0000021720.html