STANGUELLINI STORY その11 スタンゲリーニ最後のマシーン 幻のクルマ
“1963, Colibri”
単気筒 DOHC 248cc 29ps/8400rpm
“Colibri”というのはハチドリという意味。
スタンゲリーニの名のついた最後のクルマとなった。
流麗なボディは鬼才フランコ・スカリオーネによるもの。制作はカロッツェリア・グランスポルト。エンジンは驚くなかれ、オートバイのモトグッツィ単気筒248ccで、スタンゲリーニにより29psにチューンされたパワーを後輪にチェーンで伝えていた。
1963年10月9日、ドライバー“Pietro Campanella”がモンツァの高速コースにて総走行距離200㎞を平均速度164.548㎞/hで走り、6種以上の国際速度記録を樹立し、スタンゲリーニの有終の美を飾ることとなった。
幻のスタンゲリーニ
“1971, Momo Mirage”
北米からの依頼でスタンゲリーニが制作した豪華な2+2クーペ。オプションでコンバーチブルの設定もあった。ミッションはGMの3速ATとZF製の5速MTを選べ、エンジンはシボレーの5.3リッターV8を使用。ルーカスのインジェクションで225馬力を発生した。ボディ・デザインはトリノの“Pietro Frua”。
結局、第1次オイルショックによって計画は白紙となっている。
これを最後にスタンゲリーニは新しいクルマの開発から一切手を引くこととなる。