1957 Sebring 12 Hour Grand Prix Part 3 Fangio移籍の理由
Maserati 250S Roy Salvadori/Carroll Shelby
1957年、この年はモーター・スポーツ界で注目される出来事があった年でもある。Fangioが FERRARIから Maseratiへと電撃移籍した騒動がそれだ。Fangioは Eugenio Castellottiと、前年の Sebringにて Ferrari 860 Monzaで優勝を果たしている。
誰もが、なぜ Fangioが自分の意思で Ferrariを離れることにしたのか噂していた。唯一の納得できる理由は Enzo Ferrariの個人的な解雇によるものであった。ある記事によれば、Fangioが1つのチームに長く留まるのが嫌いであり、新型の 4.5リッターV8 Maseratiが素晴らしく、それが十分離れる理由となるとのことであった。
Maserati 450 S Juan Manuel Fangio
現在では移籍の理由が判明している。Fangioをどうしても獲得したかった Maseratiファクトリーは、6台以上の新型マシンを用意して Fangioにテスト走行の名目で提供したのであった。これらのクルマは、今日のレートで1台 1,500万〜1,800万の価値となる。その内の1台は Fangioが 57年の Sebringに乗ることとなったマシンである。
たぶん Fangioが Maseratiに移籍したのは、Ferrariよりもより良いマシンを Maseratiに見つけたということなのだろう。そしてF1GP4度目の世界チャンピオンとなったにも関わらず、彼の Ferrariにおける地位や待遇が不当なものであったという不満も要因の1つであろう。祖国アルゼンチンで Fangioに次ぐ人気ドライバーであった Carlos Menditeguyが Maseratiで活躍していたというのも理由の1つだ。