RACE-TUNE MY PORSCHE 917 LH


空冷水平対向12気筒 DOHC 2バルブ 4907cc 600ps/8400rpm

 負けっぷりの良いフェラーリ贔屓の自分としてはポルシェというクルマには軽い反感を感じるのだが、レーシングカーは別である。特に11歳の頃に観た映画「栄光のルマン」(制作本国の米国では不評だったが、日本では大ヒットとなった)でマックイーンが操る917は強烈な印象を残した。
 このLHはドイツ語で“long tail”を意味する“lang heck”の略。ル・マン専用に造られた空力スペシャルである。しかし、有名な Hunaudières のストレートにおける最高速度は Type K よりも40㎞/h以上速かったのだが、安定性に欠けており、肝心のラップタイムはあまり差がなかったようだ。それでも、燃料消費が少ない利点もあったし、安全に Hunaudières でライバルを抜き去ることができるというのも有利だった。
 Fly がモデル化したのは1971年のル・マン24、#18Rodriguez / Oliver組。3時間目にはトップで独走していたのだが、11時間後には後輪のベアリングが焼きつくというトラブルに見舞われ、13時間過ぎにはオイルパイプの破損でオーバーヒートになりリタイアしている。


先週の亀有でシェイク・ダウンしたのだが、ゴトゴトした動きで走らないので、サーキット・オーナーのモグラ親父さんにチューンしてもらった。



この頃の Fly はフロントが左右独立となっていた(写真はFerrari512Sのもの)。コーナーリング性能を高めるという狙いだったようだが、取り付けが悪くホイールハウスにタイアが当たってしまい、不自然な動きになっていたようだ。



モグラ親父さんのチューンにより、通常のシャフトで左右を繋げる方式にした。


効果はてきめん↓

4レーン(一番左端)が我が917LH。



Fly のプロポーションはスリムで、実車はもう少し幅広だ。縦目の4灯ヘッドライトも、もっと斜めに開いている。フロントのエア・インテークも、もっと大きくてもよいぐらいだ。一説には、この917LHのプロポーションの所為でファンが大いに失望し、今日の凋落につながったとか……。