SCALEXTRIC Super 124

 現在、ドイツのカレラが1/24を商品化しているが、過去、イギリスのスケーレックストリックも1/24を売りだしていたことがある。北米市場での1/24人気を考慮し1968年に3レーン・システムのコースセットと6種類のクルマを売りだすことになる。コースは2種の曲率が異なるカーブにより最大6レーンのレイアウトを可能にしており、ガードレールと3人のピットクルー3人のドライバーのフィギュアがセットになっていた。アメリカで人気のバンクカーブ(日本の営業サーキットでも人気だったりする)は備わっておらず、人気が出なかった理由とも思われる。コースはプラスチック製でスロットガイドは錆ないステンレス製となっていた。1/4や1/2の直線は無かったので単調なレイアウトのみが可能となっていた。


ロータス・インディー・カー(左)とフェラーリ158F1。 


 発売されたクルマのディティールは従来の1/32と比べて格段に素晴らしいものとなっている。



フィギュアはとてもレアなモノとなっている。服の皺など造形もなかなかのものだ。



アルファロメオTZ。“Ace”バージョンではリアに搭載されているスペアタイアが実際にスロットカーのスペアとして使用できる。オプションでマブチ26Dモーターも用意されていた。


ジャガーEタイプ。


アルファとジャガーシャシーにはブレーキシステムが備わっていた。


 124シリーズの値段設定は従来の1/32の倍となっており、コースの設営も数倍の広さが必要になる。このことはスロットカーのクラブで扱うことが適切であることを意味していた。124シリーズが発売された当時、既に北米市場でのスロットカー・ブームはピークを過ぎており、市場への投入は遅すぎていた。販売不振のまま1970年にスケーレックストリックは124の販売中止を決定する。
 たった3年間しか販売されなかった“Super 124”を現在手に入れることは至極困難であり、高値で取引されているのが現状だ。