スロットカー専門誌 “MODEL CAR RACING”


アメリカの有名なスロットカー専門誌(隔月刊)。
http://www.modelcarracingmag.com/

1/32スロットカーを牽引するスペインにもスロットカー専門誌が数誌あるが、どれも新製品の紹介だけで記事の内容は事実上カタログでしかない。
その点、この“MODEL CAR RACING”の記事は多岐にわたっている。
Track Test:新製品を実際にテスト走行し、その性能も含めて紹介している。
Paint Shop:既製品を使い、他のマーキングに塗り替える作例を紹介。
Your Cars:読者が制作した自慢の1台を紹介。
Race-Tune Your Race Car:チューンナップの方法を車種別に紹介。走らせるのが難しいレベル・モノグラムやカレラが多い(苦笑)。アメリカでもノー・マグネットを推薦している。
Start Here:初心者向けのテクニック&ヒント
Race Track on a Tabletop:比較的こじんまりとしたコースレイアウトを紹介。
REAL RACE TRACK PLANS:実際に存在するサーキットのコースレイアウト。アメリカには大小様々なサーキットが存在しネタは尽きないようだ。北米では“Ninco”は一般的でなく“SCALEXTRIC”や“CARRERA”によるレイアウト・プランを紹介している。
Digital Racing:日本では広まっていないデジタルのテクニックを毎号紹介している。
Vintage Racing:創成期のスロットカーのコレクションを紹介。
多彩な記事が掲載されているが、自分が毎号見とれてしまうのが“YOUR TRACK”の記事。日本では希な素晴らしいホームサーキットが紹介されている。

例えば……ラグナセカ


フォードのオートショーのために制作されたモノ。



トラックにも汚し塗装がされリアルさが増している。


例えば……タルガ・フローリオ。


適度な汚しのストラクチャーが雰囲気満点。
日本ではマイナーなデジタル・トラックであることに注意。


例えば……モナコGP。

有名なトンネルは勿論、あのレストランまで再現されている。

興味深いのは、コースが狭まってクルマ同士でぶつかるようなセクションが多々見られることである。クルマを大切に扱い、傷に敏感な日本の嗜好とはかけ離れている。個人的にはぶつかるようなレイアウトの方が走らせても面白いように思える。

日本の貧弱な住宅事情を考えると、アメリカは羨ましい限りの環境である。欧米では鉄道模型の歴史が古く、自宅に大きなレイアウトを敷設している人が多いので、ホームサーキットが多いのも頷ける。

スロットカーが日本で普及しない理由の1つにホーム・サーキットが敷設できない住宅環境というのも大きいのではないだろうか。
せっかくスロットカーを買っても、走らせる場所が無いのならミニカーで充分と考えるだろう。


最新号57号はヘリテージさんで販売中だ。
http://bit.ly/mSB9yV