Fiat 1.3 16v MultiJet engine 400万台達成

今月4日、2003年にデビューした水冷直列4気筒 DOHC 16v 1300cc Common-Rail 方式ディーゼルエンジンの生産が、ポーランド工場にて400万台を達成した。400万台目が搭載されたのはフィアット500でフランスに出荷された。
コモンレール方式のトラックは1995年に日野により実用化され市販されたが、同方式の乗用車ディーゼルを世界で初めて市販したのはフィアット・グループであり、そのクルマは意外にも1997年に発売された Alfa Romeo 156 1.9 JTDである。
日野はトヨタ・グループであるが、なぜトヨタが乗用車用コモンレール・ディーゼルを開発しなかったといえば、これは人種差別主義者として悪名高い石原東京都知事ディーゼルを悪いものと宣伝したことが広まり、日本ではディーゼル乗用車が売れなくなったことが大きい。そのため、日本は乗用車ディーゼル・エンジンの技術が立ち遅れ、ガソリンよりもCo2排出量も少なく燃費の良いディーゼルがハイブリットカーにも未だに搭載されていない状況にある。

コモンレール方式とは、燃料ポンプに制御させていた燃料噴射を燃料噴射装置(インジェクター)に分担させ、自在な噴射制御を可能にしたシステム。
最新の MultiJetⅡでは8段階の連続した燃焼サイクルに対応、ターボ過給で95馬力の出力を誇る。1,400㏄のガソリン仕様よりもトルクがあり、燃費も良いとなるとベストな500かもしれない。もちろん厳しい欧州環境規制ユーロ5にも対応している。
このエンジンは Fiat Powertrain のインド Ranjangaon 工場でも生産されている。