日野ルノー PA型 Part2

日野オートプラザに展示されているもう1台の日野ルノー。この色は昨日紹介した黒よりも雰囲気がある。残念ながら年式は不明だ。


日本人ユーザーがキャデラック並の乗り心地を求めたため、58年型から日野は足回りを改悪することになる。具体的にはバネレートを柔らかい長いスプリングに変更した。特にリアスプリングはお尻が下がって見っともないという理由でオリジナルの278㎜から294㎜に変更されてしまった。これによりネガティブキャンバーポジティブキャンバーとなってしまった。結果、ロードホールディング性能が悪化し、ただでさえリアエンジンのためにオーバーステア気味のドライビング特性が強調されるようになってしまった。また、柔らかいバネのためにステアリングの安定性が低下し、弱いリターンスプリングと共に、ステアリングのフィーリングは頼りないものになってしまった。





エンブレムには“REGIE NATIONALE RENAULT”の文字が読める。


57年型とは違って、ウォッシャーノズルが無い。




“世界の経済車”“日野ルノーはお金のかからない車です”“コップ1杯のガソリンで4キロメートル”などと日野ルノーの経済性を前面に出して販売していたようだ。
しかし、当時の車両本体価格は73万円。公務員の大卒初任給が約1万円の時代の73万円である。初任給ベースで年収6年分程度になるのだから今の価値にすれば2000万円近くになるであろうか。そのような高額品を買える人間にとって燃費なんぞどうでもよい問題であったはずだと思うのだが。


ジュースを飲んで日野ルノーが当たるというキャンペーンがあったようだ。いまならクルマなど高額商品の景品は公正取引委員会によって規制されている。
ニッポンビールは現在のサッポロビールの前身である。