アルファ・ロメオ 100年の栄光と衰退 その17 幻の試作レーシングカーたち

“MUSEO”の一角にあまり見せたくない、というような雰囲気の場所があって、他の展示と隔離されたような場所にそのアルファたちは惰眠を貪っていた。



“164 Pro-Car”
V10 DOHC 3.5L 620ps/13300rpm 最高速340㎞/h

80年代のアルファを代表するアッパーミドル・サルーンである“164”はフィアット傘下だったからこそ出来たアルファだ。大柄なセダンであるにもかかわらずワインディングロードもこなす性格はまさにアルファであった。隠れアルフィスタである、あの小林彰太郎氏が「クワドリフォリオ」を絶賛していたことも記憶に新しい。

その164に当時アルファがF1チームのリジェに供給していたV10エンジンをミドシップマウントしたクルマが“164 Pro-Car”である。F1の前座イベントとしてFIAが企画していたらしいが結局レギュレーションは幻となってしまった。


パトレーゼの運転するプロカーが発する咆哮は、当たり前のことだがF1以外の何ものでもない。これからインスパイアされたのだろうか、後にルノーがウィリアムズに供給したF1V10エンジンを搭載したエスパスF1を開発している。
http://www.youtube.com/watch?v=rDG4ZYTcWN0



こちらは、同じくV10エンジンを搭載する幻のグループCカー!
80年代に耐久レース選手権を席巻したポルシェ962C打倒を目指したマシーンだったのかもしれない。