アルファ・ロメオ 100年の栄光と衰退 その3

自動車雑誌では「アルファロメオ100周年」の記事が目白押しだが、厳密には“A.L.F.A”創設100周年なのであり、所謂“ALFA ROMEO”はまだ今年で95年しか経っていないのだ。
うがった見方をすれば、今年はアルファ・ロメオの社運を賭けた新型“GIULIETTA”が発表されたので、それにあわせて繰り上げたのだろうと自分は妄想する。



1926 RL SS
6気筒 OHV 2994cc 88ps/3600rpm 最高速150㎞/h

1922年から29年頃までつくられたRLは、アルファ・ロメオ最初の本格的スポーツカー。エンジンはこのスーパー・スポーツ(SS)ではツイン・キャブレター、ドライサンプ・リュブリケーションを備えている。RLのツーリスモは戦前日本にも1台存在している。ラジエター・グリルのエンブレムが左右に付いていることに注意。



1924 RL TARGA FLORIO
6気筒 OHV 3620cc 125ps/3800rpm 最高速180㎞/h

前年の1923年モデル(3ℓ88psと3.2ℓ95ps)の進化型で1924年のタルガ・フローリオに4台出走した内の1台。
有名なクワドリフォリオのマークは前年のタルガでのドライバー、ウーゴ・シヴォッチの発案で、幸運をもたらすべく備えられたのだという。



1928 6C 1500 SUPER SPORT
6気筒 OHV スーパーチャージャー 1487cc 76ps/4500rpm 最高速140㎞/h

1928年の第2回Mille Miglia、Campari-Ramponi運転の優勝車。



1933 6C 1900 GRAN TURISMO
6気筒 OHV 1917cc 68ps/4500rpm 最高速130㎞/h

6C 1500シリーズの最終モデル。6Cシリーズに初めて搭載されたこのエンジンは、軽合金製のシリンダーヘッドを持っていた。排気量は1,917 ccにアップされ、後の6C 2300の登場を予感させていた。生産台数は、合計197台。



1934 6C 2300 GRAN TURISMO
6気筒 DOHC 2309cc 95ps/4500rpm 最高速145㎞/h

美しさが基準。6C 1750、6C 1900に代わる新しいモデルは、エレガンスに満ちたフォルムとスポーツ精神を兼ね備えていた。軽合金のシリンダーヘッドとシングルユニットとなった鋳造合金のシリンダーブロックを持つ6気筒エンジンを搭載。さらに、単板クラッチ、3速4速ギアにフリーホイール機構とシンクロ機構を装備した4速+バックギアのトランスミッションが搭載されていた。リアのショックアブソーバーは、油圧コントロール式のアジャスタブル フリクション式で、運転席から調整することができた。6C 2300は、1934年から勝利に勝利を積み重ねる。レースデビューは、34年の第1回イタリアツアーであった。“Pescara”での24時間耐久レースには、トゥーリングが手がけたボディとスラストエンジンを装備した3台の6C 2300 Gran Turismoが参加し、総合で上位3位を独占した(これが“Pescara”の名前の由来となる)。1935年から37年まで製造されたTouring、 Gran Turismo、Pescaraの3バージョンは、ともにヨーロッパで初めて独立サスペンションを使ったモデルでもあった。




1939 6C 2500 SPORT
6気筒 DOHC 2443cc 95ps/4600rpm 最高速155㎞/h