Maserati Sebring Series II

 1962年のジュネーブショーで発表、翌年のトリノショーにも展示された Sebring Series I (Tipo AM 101/S)はすべての面で、1957年以来フラッグシップとして君臨してきた 3500GTの性能を凌駕するものだった。車重1,510kgのボディを、最高速度 220km/hまで引っ張った。0〜100km/hは8.5秒。装着されたタイアは Pirelli Cinturatoの185/15インチ。オプションで 205VR15インチも選択可能。そして、イタリアの自動車としては初のボルグワーナー製オートマチックミッションも選択できた。
 1962年から 1965年にかけて総生産台数は 348台のシリーズ1がモデナから送り出されている。エンジンは途中、1963年から 15馬力パワーアップされている。極小数の 3700ccとなったエンジンは 1964年に登場。
コーチワークはイタリアはトリノCarrozzeria Vignaleであり、Michelottiがアドバイスしている。
シリーズ1の画像はコチラ。

 1965年にはモディファイされた Series II (Tipo AM 101/10)が導入された。デザインが変更されてより明るくなったヘッドライト、よりモダンとなったバンパー、フロントの新しいウィンカーなどなど、各部のデザインが同時期の 4ドアモデル“ Quattroporte ”と類似した仕様に改められている。テールレンズは縦配置から、“ Quattroporte ”と同様に水平横配置としたため、トランクの開口部は狭くなってしまった。タイアは Pirelli Cinturatoの 205VR15インチが標準に。
1964〜1968年にかけて 245台が生産。1966年からはロングストロークの排気量 3694ccエンジンを搭載する 3700が 3500に代わり生産され、後により排気量の大きい 4000も追加された。
 英国 BBC放送の名物番組“ Top Gear ”で有名な Jeremy Clarksonは、彼の Top 100 Cars listの77番目に、このマセラティ セブリングを選んでいる。


直列6気筒 3694cc DOHCエンジンは 245psを発生。マセラティ伝統の1気筒あたり2本のプラグを持つ、当時としてはレーシーなものだった。それもそのはず、基本はレーシングカー350Sのエンジンを市販用にデチューンしたものだから。シリーズ2はシリーズ1のウェーバー3連装からルーカス製インジェクションに変更されている。