Mercedes-Benz 300SL

「最善か無か」
 古き良きメルセデスの名キャッチコピーである。
 現代のメルセデスが、とても「最善」とは思えないが、50年以上前は「最善」のメルセデスが存在していた。300SL である。

群馬県太田市の隣町にある、ガレージ・ルディの展示車である。
http://www.rudi.jp/

 日本では石原裕次郎の愛車としてガルウィングのクーペが有名だが、実際はロードスターの方が生産台数も多い。ハードトップはオプション。
 もはや伝説となりつつあるCARグラフィック創刊号の小林彰太郎氏による試乗記もロードスターであった。その最後は次のように結んでいる。
「テストを終り、300SL のテールライトが夕闇に吸い込まれ、エグゾーストノートの次第に遠のくのを聞きながら、私は大きな溜息をついた」

直列6気筒SOHC 2996cc 215ps/5800rpm MAX 260km/h
世界初のボッシュ製機械式燃料噴射装置を備えたエンジン。オイルの劣化が激しく、1600キロごとのオイル交換が必須だった。


ガルウィング・クーペのトランクはほとんど燃料タンクとスペアタイアで占領されており、荷物を積むスペースはない。タイアは175の15インチ。215馬力のパワーに対しプアなものだったのは否めない。ロードスターは燃料タンクを小さくしてラゲッジスペースを確保している。
燃料給油口はトランクを開けないとアクセスできないことに注意。


ガルウィングのメーター周り。スピードメーターは時速160マイルまで、タコメーターは6,000回転からレッドゾーン。


当時のパーツリスト。