Lancia Lunch 2012 Lancia Rally 037

 82年から導入された Group Bの規定により、200台のホロモゲーション・モデルを生産さえすれば、それをベースにさらなるエボリューションが可能とされた。
これにより、量販市販車を走らせることは不利となり、生粋のラリー専用モデルの投入が解禁となったのである。
 FIAT 131 ABARTHの後継車として送り込まれたのが 037である。


 1980年、ABARTHの開発コードネーム SE 037の開発が開始された。ところが翌年の 81年、開発途中で Audi Quattroの4WDショックがラリー界を駆け巡る。当然のことながら2WDミドシップの「037」は不利と思われたが、83年に Lanciaに見事に総合優勝をもたらしたマシンである。


 ベースとなったのは Lancia Montecarloで、シャシー設計は Dallara、そしてエンジンは伝説のエンジニア Aurelio Lamprediが60年代に開発した通称 Lampredi Unitを ABARTHがチューン。スーパーチャージャーが備えられた。ラリーマシンとしては例外の美しいボディは Pininfarinaによるもの。正にイタリア車好きであるならヨダレもののクルマである。


メーターパネルはシンプル。正面にタコメーター、その横はブースト計である。ABARTH製ステアリングもよい。



 
サイドに大きく張り出したエアインテークスーパーチャージャーへ導入されている。



ABARTHのロゴが光るヘッドに注意。ターボではなく、スーパーチャージャーが導入された経緯は、レスポンスを重視したからだと言われている。