嗚呼 信州への旅 毒沢鉱泉 神乃湯


 クルマがやつと通れるやうな細く急な坂道を登つていくと神乃湯に到着する。夜中には物怪が現れる氣がして、晝まで良かつたと思ふ。



 毒澤鑛泉と云ふ名は、鐵分が多くて川魚が死んでしまふからださうだ。他に武田信玄説もあり、こちらは450年前に金採掘の際、けが人治療の爲に此の温泉を利用したと傳へられ、外敵に温泉の存在を知られない爲に信玄自ら名附けたとの説もあるやうだ。大浴場と言ひ乍ら大人6人で滿員のこじんまりとしたものだ。飮用鑛泉もあり、こちらは無色透明。飮むと酸つぱい。



 如何にも日本のステレオタイプのやうな休憩所。外國人にはエキゾチックに想へるのだらう。



三河製小型トラックにはドーザーが備へられてゐた。