HAKONE AZZURRI  FIAT ABARTH 595 & FIAT ABARTH 750




FIAT ABARTH 595
直列2気筒 OHV 594cc 27ps/5000rpm
ボアアップによる排気量の拡大と、専用ピストンによる圧縮比のアップ、効率を高めた新型のオイルポンプ、オリジナルの WEBERから SOLEXに換装することにより、最高速度120㎞/hをマークできるようになった。価格もノーマルの 500Dよりも3割増しとなったが。




FIAT ABARTH 750
直列4気筒 OHV 747cc 41.5ps/5500rpm
 ボアとストローク拡大により、オリジナル 600の 633ccに対して 747ccとなったエンジンは、ドライブ・シャフト、ピストン、バルブとそのスプリング、そしてオイル・サンプも交換してある。専用のインレット・マニフォールドと WEBER32IMPEキャブレター、そして新設計されたエグゾースト・システムが追加された上に圧縮比も 9.0までアップ、さらに作動部品の念入りな調整により、オリジナルの FIAT製エンジンが発生する 21.5ps/4600rpmの2倍近い 41.5ps/5500rpmのハイチューンとなったのである。
 実際、その性能は50年代のスポーツ・ベルリーナとして傑出したものであった。
著名な自動車ジャーナリスト Paul Frère氏は 1956年の“MOTOR-ITALIA”誌に寄稿、
「私たちのジャッジでは、ABARTH 750は単に一般の道路で素晴らしく楽しいだけではなく、然るべき能力のドライバーがステアリングを握れば、ミッレ・ミリアのような重要なレースや国際ラリーでもクラス優勝が狙えるポテンシャルを備えている」
そのポテンシャルの高さは「悪戯に若者を刺激する」とイタリア国会でも問題となり、Carlo Abarth自らが議会にて「安全」だと証言することになった。


この個体は、たぶんアバルトをレストアさせれば日本一の腕を持った某ショップにてレストアされたものと思われる。エンブレムをはじめとしてオリジナルの状態が保たれた好印象の1台である。







商売の上手い ABARTHは、完成車のほかにコンプリートキットも販売した。これがイタリア国内でヒット、特にスノッブな若者達にステータスとして ABARTHブランドは受け入れられたのである。