嗚呼 ミラフィオーリ  New LANCIA Ypsilon

 8時間かけて、名古屋に着いたのだが、台風の方はこちらの気も知らず、ゆっくりと動いていた。翌日の開催日、雨の状態は前夜よりも酷く降っていた。唯一の希望は風があっても寒くなかったこと。クルマの展示イベントとしては最悪の天候の中、誰も来ないだろうと会場のモリコロパークに到着すると予想外の人出に驚いた。
 展示された車両は天候の関係もあり、自分の琴線に触れるものは僅かばかりだったが、地元名古屋の老舗輸入車ディーラーである渡辺自動車さんの持ち込んだ新型Ypsilonが想像以上に素晴らしく、台風直下の名古屋に来た甲斐があったと思ったのだった。




ネットの写真で見た時は、何となくモッサリとした印象であったのだけど、現車で見ると相当に良いデザインだとわかる。ドア下部の前後に続く大きなキャラクターラインがアクセントになっている。このクルマに無粋なサイドモールは不要だということを物語る反面、板金修理は難しいだろうなと。
フロントグリルは、縦の線で分かれた旧型のものを踏襲してくれたらと思う。


アロイ・ホイールのデザインは Ypsilonの頭文字“Y”をモチーフにしていることに注意。



500とフロアパンを共有している Ypsilonであるが、内装は500のポップと対極のシックなものとなっており、雰囲気は落ち着いたムードのものとなっている。シートは明らかに500よりも上質で座面の厚みを感じさせるもの。長距離の旅行には Ypsilonの方が疲れないであろうことが想像された。唯一の不満は後席への乗り降りが、座高の高い日本人には首を傾げて乗る必要があるということ。広さは大人4人が乗るのに必要にして十分なものを確保している。
全長×全幅×全高 3,840×1,670×1,510(mm)という5ナンバー枠のスペックは狭い都内にはうってつけのサイズだ。
エンジンは500に搭載されたツインエアーである。車重が500より40㎏ほど重い Ypsilonでは音と振動が抑えられ、高級車ランチアのブランドイメージは損なわれていないようだ。
色は500アバルトのように2トーンカラーも選択できるようになっているようで、早速購入を決めた某氏は、色の選択に悩むという、自動車購入時の至福の時を楽しんでいるようであった、というのは公然の秘密である。
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