Goodwood Festival of Speed 2011 CLASSIC ENDURANCE RACERS Part4


1953 ALFA ROMEO 6C 3000CM
直列6気筒 DOHC 2Valve 3495cc 275ps/6500rpm
 Gioacchino Colombo がスーパーチャージャー1.5ℓ V12 のGPマシンの失敗のため FERRARI を追い出されたのを拾い上げた ALFA ROMEO 。過去に11回の優勝という輝かしい成績を残した MILLE MIGLIA に於いて、新参者の FERRARI が我が物顔で走っていることに会社としては我慢がならなかった。
 早速、Colombo と Orazio Satta によって奇妙なプロトタイプ‘Disco Volante’が試作された。シャシーは多鋼管スペースフレームによって軽量化され、空飛ぶ円盤を夢想させる空力ボディによって最高速度220㎞/hを誇ったが、いかんせんエンジンが市販ベルリーナの 1900 に搭載されたものであり、レース出場は見送られることとなった。


1952 Tipo 1900 C52‘Disco Volante’

 ‘Disco Volante’後期型の実験データーを元にして制作されたのが‘3000CM’である。CMは Competizione Maggiorata の略で、1948年に試作された大型高性能サルーン 6C 3000 の軽合金製6気筒 DOHC 2バルブ 2955cc エンジンをボアアップしていることに由来している。各気筒1個ずつウェーバーのキャブレターが備わり275psの大パワーを絞り出していた。シャシーは強化され、ロードホールディング性能を高めるためにリアはド・ディオン・アクスルと後輪のみドラム式インボード・ブレーキが採用されている。アルミ製ボディの架装は Colli 。クーペ4台、スパイダー2台の合計6台が造られた。
 偉大なる Fangio が乗り込んだクーペは1953年の MILLE MIGLIA にて、ステアリングのタイロッドが折損するというアクシデントの中、奇跡の2位に入賞。他にル・マン24、スパ24、ニュルブルクリング1000㎞などのレースに参戦したが、圧倒的な速さにもかかわらず、メカニズムの信頼性に劣り、いずれもリタイアするという残念な結果で終わっている。
 グッドウッドで MUSEO STORICO ALFA ROMEO により展示されたこの個体は、1953年に行われた Super-cortemaggiore Grand Prix に於いて Fangio により優勝したマシンそのものである。


Juan Manuel Fangio vince il Gran Premio Supercortemaggiore del 1953 su Alfa Romeo 6C 3000 CM.