The World's Worst Cars Part7

世界最悪のクルマをいろいろ紹介してきたが、誤解なきように言い訳のごとく書いておくけど、これはあくまでも著者の Craig Cheetham が選定しているので gianni-agnelli の選択ではないことを記しておきます。
まぁ、過去から現在に至るまで日本では外車どうしでいろいろな偏見があったものですよ。
例えば、アルファ・ロメオならFRしか認めないとか、シトロエンならハイドロ以外は認めないとか、ランチアならフィアット傘下後は認めないとか……。新型フィアット500はXXだとか……。
早い話が、自分が買ったクルマこそが最高であって、たとえ駄馬だとしても高額商品なのだから認めたくない、というのは自分も含めて痛いほどわかりますよ。
拙者は相当な捻くれた心情の人間なので、傷に塩を擦り込む表現があるかもしれませんが、そこのところ心して読んで下され。



ALFA ROMEO ARNA(1981-1986)
アルファ・ロメオ最大の汚点
慢性的な経営危機状態にあったアルファ・ロメオが藁をすがる想いで日産にかけ合って合弁会社が誕生。その結果生まれたのが酷いものだった。
過去、同社のクルマは華麗なデザインが特徴ともなっていたが、よりによって日産の格好悪い“Cherry”(日本名パルサー)を選ぶとは…。元アルファの技師が「直線基調のデザインは70年代のもの」と批判している。
中身はスッドを採用。エンジンと電気系統がアルファ・ロメオだったのでトラブルは多発。ボディは日産から送られたものを使用したが、日本製にもかかわらずドアやホイールアーチがサビに弱い欠点をもっていた。
当然のことながら販売は不振でアルファ・ロメオはフィアットに買収されることとなった。


“ARNA e subito Alfista!”(アナタもたちまちアルフィスタ)
“Kilomettrissima Alfa!”(地の果てまで行けるアルファ)
軽薄なTVCMも既存のアルフィスタから不評だった。



AMC ALLIANCE/ENCORE(1984-1989)
世界最悪クルマで以前紹介したペーサーやグレムリンといった失敗作で地に堕ちていたAMCが失地挽回と、当時大株主だったルノーに頼んで米国現地生産したクルマ。元は地味なルノー9と11、それに米国法規のみっともない大型バンパーを取りつけたもの。オープンはAMCが独自に開発・生産した。
結果はどれも売れなかった。エンジンは当時から遅れていたもので、燃費も良いわけではなく振動も大きかった。おまけに最高速度153㎞/hという地味なスペックではアメリカ人には受けなかった。後にターボモデルが投入されたが、速度を問わず振動が酷くどうしようもなかった。