Le Mans Classic 2012  1GRID 1923 - 1939+ Entrants Part 3


1928 Riley Brooklands
Riley 1098cc 4cyl.

 William Riley Juniorによって1896年に設立された英国の Rileyは、もともとCoventryを拠点とする自転車製造業社を買収したもの。Williamは3人の子供に恵まれたが、二人目の子供 Percyが16歳だった1898年に見よう見まねで自動車を製造、後に英国自動車産業で有名となる Coventry初の自動車となる。1903年 Percyはエンジン製造会社を設立、ほどなく4輪自動車の生産に携わる。1913年の初頭、Riley Motor Manufacturingが設立され、自転車から始まったビジネスはモーターサイクルから本格的に自動車産業に乗り出すこととなる。しかしながら、当初は期待された業績は振るわなかった。第1次大戦後にモータースポーツが広まるにつれ、Rileyは積極的にレースに参加。ヒル・クライムやル・マンで好成績を収める。Riley Brooklandsは1920年代から1930年代初頭まで、ワークスは勿論のことプライベーターにもよく使われたマシンである。ル・マンをはじめ、多くのレースで活躍し、その時代を象徴するクルマとして優れた成績を残した最も成功したレーシング・カーの1台と言えるであろう。
 その秘密は1926年に開発された Riley独自のツインカムOHVエンジン( Riley 9 engine)にあった。ハイカムシャフトのOHV方式でありながら、給排気弁それぞれに専用のカムを持つツインカムであり、燃焼効率の良い半球型燃焼室(Hemispherical Combustion Chamber ヘミヘッド)とクロスフロー給排気などのDOHCエンジンに近い機能を得られるのが特徴で、その後1957年までの Rileyに共通して使われる構造となった。基本はOHVなのでDOHCよりもコストが削減され、尚且つ性能がそれに肉迫するという、その時代のエンジン技術としては卓越したものであった。ライレー製ツインカムエンジンのレースにおける戦闘力は第二次世界大戦後になっても侮りがたいもので、戦前型ライレーのエンジンをレースで用いたSir Stirling Mossもその高いポテンシャルを評価している。
 1934年のル・マンに於いて Rileyは、2、3、5、6、12、13位を占め、 Brooklandsはワークス・チームによって、♯36が Alex van der Becke / Kenneth Peacock組によって総合5位、1.1リッター・クラス2位でフィニッシュしている。


1937 Riley TT Sprite
Riley 1490cc 4cyl.



1937 Riley TT Sprite
Riley 1490cc 4cyl.

 スポーティーな2シーター Riley Spriteは 1936年に登場。エレガントなボディは一族の Stanley Rileyによるデザイン。搭載された4気筒エンジンは Hugh Roseの設計。SUツイン・キャブレターにより60hp/5500rpmを搾り出し、0〜100km/hは15秒。4速ギアボックスで最高速度140km/h。
TTとは、アイルランドの the Royal Auto Club circuitで行われた Tourist Trophyに参加したことに起因している。伝説のドライバー Freddie Dixonが35年と36年の2年連続優勝したことにより、その優秀性が証明された。
 TT Spriteは 1937〜1938年と2年連続ル・マンに出場。どちらもリタイアに終わっている。
 総生産台数は60台といわれ、そのほとんどの55台がいまも生きながらえていると言われている。

写真下は、明らかに流麗なボディで市販バージョンと思われる。



http://rileyrob.co.uk/index.htm