映画“Grand Prix”(1966)

長らく日本では観れなかった、F1レース映画の傑作「グランプリ」(ジョン・フランケンマイヤー監督)が、ブルーレイで発売された。アマゾンなら1,609円の大バーゲン!
自分は昨年モデナにてDVDを見つけてアチラ版を買ったほど、待ち焦がれた待望の日本版である。

この映画は日本公開時の1967年、父親に連れられて観ている。小学校入学前の子どもだった自分にも大画面のシネラマによる冒頭のモナコのシーンが印象的で、迫力のサウンドも印象に残っている。当時自動車免許を持っていなかった父親は映画に触発されたのか、マッチボックス製のF1ミニカーを数台買ってくれた。

CGではない実車(F3の改造車)による撮影(実際のF1終了後の月火でレースシーンは撮影)のため、役者たちはジム・ラッセルのレーシング・スクールを受講。撮影時ホンダF1のドライバーであったリッチー・ギンザ―らをアドバイザーに迎え、往年の名ドライバーもフィル・ヒルグラハム・ヒルブルース・マクラーレンも役名付きで登場、他のレーシングドライバーもレース映像も含め、多数登場している。スペシャルゲストにはファンジオやポール・フレールも!

いかにもアメリカン・レーサーの雰囲気をもつジェームズ・ガーナー(映画「大脱走」でも好演)に名優イヴ・モンタンの演技が光る。ホンダがモデルである日本チームのヤシマ社長に三船敏郎と興味は尽きない。
ブライアン・ベッドフォード演じるのは、どう見てもジム・クラークだろうし、フェラーリによる非情なドライバーの扱いなどなど興味は尽きない。モナコから始まって第9戦の悲劇のモンツァまで3時間にのぼる大作にもかかわらず飽きさせないのは流石だ。エンディングの余韻も素晴らしい。

今回は特典映像もテンコ盛りで、興味深いエピソードが盛り込まれている。傑作クレジット・タイトルを担当したソウル・バスや、主演を断ったスティーブ・マックイーンの逸話、スターリング・モスによる当時のF1の状況、最初は撮影に協力しなかったフェラーリ、撮影車として活躍したフォードGT40などなど……etc。ただ、USA版では2枚組なので日本版ではカットされた特典映像もあるはずなのが残念。これはUSA版も買わなきゃダメかも……。