The World's Worst Cars Part1

昨年の年末に、面白いクルマ本をアマゾンで購入した。
題して「世界の最悪クルマ」。英国のベテラン自動車ジャーナリスト Craig Cheetham という人が書いたもので、記者クラブ同様に自動車メーカーの代弁者でしかない日本の評論家には絶対に書けない内容。
古今東西のダメなクルマをばっさり斬りおとしている。中には自分の好きなクルマも入っているが、売れなくてもダメとしているから仕方がない。
幸いにして(?)過去に自分が購入したクルマが1台も入っていなかったのでホッとした(苦笑)。日本車は英国に輸出されたもの以外は入ってないのでこの本に載っていないからといって最悪クルマではないと誤解なきよう。

今回は、この本で紹介された中で、デザインが酷いと自分で感じたクルマを選んでみた。



Austin Allegro(1973-1982)
当時イギリスで最もバカにされたクルマ。風呂桶をひっくり返したような酷いデザイン、雰囲気はブタ。当初ステアリングは奇をてらった四角いものだったが、案の定不評で2年でボツに。ハイドラガス・サスペンションのおかげで乗り心地は良かったようだが、パイプがサビつき液漏れを起こす故障が多発したようだ。



DODGE DART 1963
誰が見ても酷いフロント・マスク。“NOTHING'S HOLDING YOU BACK!”と広告のコピーは謳っているが、こんな酷いデザインのクルマを運転すること自体がためらわれる。



FIAT STRADA(RITMO)(1979-1988)
2灯のフロントマスクが情けない、イタリア車特有の誰が見てもカッコイイと思えるものは何もない。後期型の4灯は見れるのだが。フィアット初のロボット生産を売りにしていたクルマで、ロボットの所為だろうか、鋼板の質は低くボディはサビだらけでドアシールが悪く雨漏りも多かった。フィアットはこれが原因で82年に米国市場から撤退している。



Jensen-Healey Jensen GT 1976
共に倒産寸前だったジェンセンとヒーレーがくっ付いて出来たデザインは顔のつぶれたカエルと称されたもの。搭載されたロータスのエンジンはオーバーヒートを起こしやすい代物でシリンダーヘッドは歪んでしまう、クライスラー製のミッションはロータス・エンジンのパワーに対し貧弱なもので、職人の手によるボディは凍結防止剤でひと冬でボロボロに。



AMC GREMLIN1970-1979
どこから見てもぞっとするほどの醜態
いまは亡きAMC社が社運を懸けて世に送り出した大失敗作。アメリカ車としては珍しいハッチバックだがリア・ウィンドウを蝶番で取り付けたようなチープな作り。Cピラーが太すぎて斜め後方の視界は絶望的。ボディはサビやすく、おまけにエンジンは直列6気筒3802ccという化け物なのに最高速度は153㎞/hという悲惨なもの。
発表されたのは4月1日のエイプリル・フールというのだから笑える。

キャビンよりもエンジンフードの方が長いアンバランスに驚く。横から見るとスペースユーティリティがまったく無いことがわかる。後席は子どもしか座れないほど狭い。