PRINCE Skyline Sport Coupe トリノショー出品車と量産車の違い

先日訪れた日産ヘリテージ コレクション。
そこにはプリンス スカイライン スポーツが2台展示されている。青いのがトリノ ショー出品車、ゴールドは量産車*1。2台並べてあって気づいたのは両車の細部がかなり違うこと。

まず、フロント・グリルがトリノショー出展車は薄く、それに伴いエンジンフードも低い。量産車はグリルが大きく、エンジンフードも高くなっている。



フロントグリルにあしらわれたエンブレム。トリノショー出展車は、NSUからクレームがきてトリノショー開催2週間前に急遽プリンスの頭文字であるPをとりやめたのだった*2。グリルの楕円形格子も大きさが違う。



ライト周りの仕上げも大分違う。トリノショー出品車は薄い、量産車は肉厚だがエッジが立っている。



フェンダーミラーもトリノショー出品車の方がデザインされている。量産車は汎用品だろうか。





テールレンズ廻りもメッキの厚さや、控えめなテールフィンも含めて形状が微妙に違う。トランクの縁のメッキモールは量産型のほうがエッジが効いている。


この写真で見る限りテールフィンの角度が、量産型はトリノショー出品車よりも傾斜しており、後ろに突き出ているようだ。



トリノショー出品車にはリアナンバーの下にメッキの飾りがつくが量産車には無い。また量産車のマフラーはトリノショー出品車と違い2本出しとなっている。

他にホイールキャップ、エンブレムやルームミラーなどこと細かに違うようだが、何よりもボディは木型から1台づつ叩きだして仕上げるのだから、個々に微妙に寸法は違うはずだ。
何れにしても日産によるレストアがオリジナルに忠実に成されていることが前提となる。
日産ヘリテージコレクションに飾られていたプリンスR380が、オリジナルの赤とは似ても似つかない茶色に無残にも塗られていたことを最後に記しておこう。


*1:量産と言っても職人による手作りですが。

*2:トリノのTに見えるが。