Unipower GT



 Unipower GTは、BMCのワークス・ドライバーであった Andrew Hedgesとパワー・ボートのレーサーだった Tim Powellが主導し、製造を担当したトラック・メーカーの Universal Power Drives社が1966年のロンドン・レーシング・カー・ショーにて発表したもの。70年頃までに75台が生産されたと言われている。メカニカル・コンポーネンツは BMC Miniを仕様。これを前後逆にすることで、ミドシップとなっている。ロールバーの機能を有した頑丈なボックス断面のスペース・フレーム構造にグラスファイバーのボディを架装。足回りは全輪独立懸架のウィッシュボーン。フロント・ウィンドウはTriumph Spitfireのものを使用。
 500kg(!)という軽量ボディは低重心で、全高も1029ミリメートルと低いので空気抵抗も少ない。このため優れたロード・ホールディングとハンドリング特性を誇っていた。
 オプションで COOPER Sのエンジンも搭載可能で、その場合、最高速度は193km/hに達した。
 ショーでは人気だったが、しかし、あまりにも本格的な内容の為、生産の立ち上げに思わぬ時間がかかってしまい、実際に販売が開始されたのは、発表から1年以上もたった67年の事であった。そのため、一刻も早く戦闘力の高いマシンを欲していた顧客の多くが、同じ Miniベースの Marcosや Ogleに流れてしまい、販売面で苦戦を強いられます。また、製造コストが当初の目論見より大幅に高く付いてしまったことから、70年頃までの生産と短命に終わった。
 オーナー氏によれば、80年代のバブル景気の頃に、日本には総生産台数の半分にも及ぶUnipower GTがいたらしい。
 当日は、日本グランプリで活躍した津々見友彦さんが運転されていて、お話を聞くことができた。