1951 Marauder Open tourer


水冷直列6気筒 OHV 2103cc 81ps/4200rpm 最高速度 144km/h

 Marauderは Roverのエンジニア George Mackieと Peter Wilks、そして Spen Kingによって設立された。George Mackieと Peter Wilksは Rover P4 75のシャシーを利用して2人乗りのオープン・ツアラーを作ることを考え、それを実現するために Roverを退社して Marauder Car Companyを起業した。

 設計は Peter Wilksと "Spen" Kingによって行われた。"Spen" Kingは Peter Wilksと Maurice Wilks(Wilks兄弟)の甥っ子である。後に Roverと Leyland Groupに於いて数々のクルマを設計したのは有名。A(後に100が追加)と名付けられたクルマは Rover P4 75の全長 2,800mmシャシーを 2,600mmに短縮、幅は 1,300mmのままとした。サスペンションはフロント・独立サスペンション、リアは楕円コイルのリジッドをそのまま流用。エンジンは少し後方に配置され、Roverではオプションのオーバー・ドライブを標準とし、コラムからフロア・シフトに変更された。フィクスドヘッド・クーペも用意された。初期の数台は Dorridgeにある Richard Meadの工場で Roverの鋼板を使用し架装され、後に Coventryの Abbey Panels(後に FORD GTのシャシーを製造)にて造られた。直列6気筒 2103ccの Rover製エンジンは、わずかにモディファイされて+5馬力とされた。100は3期のSUキャブにて 105psとなり、最高速度も 161km/hに向上している。
 
 おそらく15台(内100は2台)が英国での自動車税増税前に世に送り出された。英国政府が輸出奨励のために国内で消費されるクルマに対する税金を52%にアップ、これにより£1,236だった車両価格は 1952年には£2,000とほぼ倍となってしまった。当然、売れるわけがなく Marauderの事業は頓挫、3人は再び Roverに戻ることとなった。
 余談であるが、Colin Chapmanが禁止税的な増税を逆手にとって、キットカーで起業したのは有名な話。
http://d.hatena.ne.jp/gianni-agnelli/20120107/1325862628



昨年7月にヘリテージ博物館で。