The World's Worst Cars Part9



PANTHER RIO(1976-1978)
人気のあった Triumph Dolomite Sprint の高級仕様として作られたクルマ。
ロールス・ロイス風のグリルからして品が無く、クロムメッキもはがれやすい粗悪品。内装もテカテカのウッドで70年代の悪趣味が漂う。その内装に重量がかさみ、ベースのドロミテ・スプリントよりも鈍重で機敏な運動性能も損なわれたものとなった。最高速度は僅か185㎞/h。問題はその価格にあり、ほとんどロールスが買える値段という高価格車。2年間で、わずか38台しか生産されなかった失敗作だ。
こちらはベースとなった、Triumph Dolomite Sprint



Porsche Cayenne(2003-信じられないが現在でも販売されている)
生粋のポルシェファンからは忌み嫌われているマヌケ面のヒキガエル。これほど全体と調和のとれていないフロントデザインも珍しい。クルマ音痴のアメリカと日本では富裕層に大受け、大部分がVWと共通の部品というのにポルシェというだけで売れに売れてしまった。
いまにゴルフがベースのポルシェが出てもおかしくないわな(大爆笑)。



ROVER 800(1986-1999)
ホンダと共同開発した高級車。デザインは良かったと思う。内装も英国の趣味の良さが反映していた、ただしダッシュボードの縁が熱で変形するが…。ルーカス製の電気系統は故障し易く、ホンダ自慢のV6エンジンはトルク重視の高級車に不釣り合いな回り過ぎるモノ。おまけにサビに弱く、5年もしないでドア、トランクフロア、リア・ホイールアーチが腐っていった。北米では品質の悪さでローバーではなく“Sterling”ブランドで販売されたが、ここでも品質問題が発生、調査会社JDパワー社にも酷評されたことで販売は低迷、1991年には北米から廃業・販売中止となった。



Triumph Acclaim(1981-1984)
もう1台、ブリティッシュ・レイランドとホンダの失敗作を…。
見るからに保守的なホンダ・バラードのデザインだけでも失敗の予感がするのだが、わずか3年で生産が打ち切られた理由はトライアンフとして売り出したからだった。トライアンフは品の良い内装だったが、ホンダとの提携車はプラスチックのダッシュボードと趣味の悪いベロアのシート。顧客は後輪駆動と硬めのサスペンションを好んでいたがFFで柔らかいサスペンションに失望したといわれている。これが大衆ブランドのオースチンやモーリスだったらどうだったろうか……。
悲しいことに、このクルマが最後のトライアンフとなってしまった。


「向かう敵を打ちのめす」などと自信たっぷりだが、トライアンフ信奉者の評価は低く3年で打ち切りとなった。